SSブログ

重なり合う映画と現実・・・ [ココロノイロ]


一昨日の夜中、ふと目が覚めて「あ、流れ星見なきゃ・・・」とベランダへ出てみた。
「流れ星一つ見たら、また寝よう」と決めて南の空を見た。
そこにはオリオン座がはっきりと輝いていた。
その近くを見ること数分、3分くらいかな?
オリオン座の左側に数倍の輝きで星の雫がこぼれた。
いつものことながらあっという間の出来事で、願い事をする時間なんてなかったけれど
その残像に向かってお祈りをした。

みんなみんな、元気でいてくれますように。。。

   

*****

   

映画を観た。2本。
「さまよう刃」 と 「ヴィヨンの妻」

映画と現実とがオーバーラップする。

フランスでは娘を殺された実父が第三者に容疑者の男(実は娘の義理の父)を
誘拐させるという事件が。(ニュースはこちら
「さまよう刃」そのものではないか!

陰惨な事件は娘を持つ親として人ごとではなく、心をかき乱される。
もし我が娘が・・・と思うと、いてもたってもいられなくなる。
映画という限られた短い時間の中のことという制約が私には救いであった。

娘を殺害された親の心理状態は想像を遥かに超えたものだろう。
その心・気持ちは、想像もできないほどにずっとずっとさまよい続けるのだろう。

人の命は皆同じように尊いもののはずなのに・・・

こういうことが起こらないようにと強く強く強く願うばかりだ。

  

そして加藤和彦氏や長門裕之氏は「ヴィヨンの妻」の浅野忠信演じる大谷役に
南田洋子さんは松たか子演じるその妻・佐知に、私の中では限りなく重なり合った。

ダメな男と知りつつも愛してしまう女が馬鹿なのか・・・
でも、長門氏には感じないが、加藤氏や浅野さん演ずる大谷には魅力を感じる自分がいる。
そういう身勝手な男を愛してしまう女が浅はかなのか、いや、そんな男には自分じゃないと・・・
と思い込んでしまう女の方が身勝手で傲慢なのか・・・わからなくなる。

どちらにしても男も女も身勝手なもの。
そんなご立派なもんではないということか・・・

誰だって間違ったことをやってしまったり、人を傷つけたり、罪を犯したり、
時には「人に言えないこと」もやらかしたり・・・

それが「人間」というもの。
だから「生きてるだけでいいじゃない」と言ってのける佐知は、ある意味あっぱれだと思う。

   

夫の不始末をすべて受け入れ、長い間、義父の介護もしてきたという南田洋子さん。

大林宣彦監督から「今度の作品は素顔でいきましょうか」との提案に
「あら嬉しいわ~♪ このシミやシワが役作りのお役に立てるなんて~♪」と、快諾だったそうだ。

ひょっとしたらこの数年は、認知症の老女役を演じてたのかも・・・?
演じきって旅立っていかれたのかもしれない。

大林監督の所へ知らせてくれたお世話役の方の話では
彼女の最期は大女優・南田洋子のままの美しい姿だったそうだ。

あっぱれ!南田洋子さん。 どうかどうか、安らかに。。。

 


nice!(4)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 4

コメント 8

綺華

さまよう刃は原作を読みました。
どこまで映像化しているのかまだ見ていないので知りませんが
原作はあまりにリアルで、恐怖でゾーッとする場面も多かったです。
ホラーやオカルトではなく、本当に怖いのは人間の本質にあると感じました。
寺尾さん大好きなのですが、あの父親は辛すぎますね。

南田さんとはちょっと違いますが、私もせっかく10㌔以上ダイエットしたのに
服を買ってもサイズを計るのがめんどくさくて
全部ゴムのスパッツ、ゴムのスカート、ブラでさえ
ブラトップのランニングで済ませていたら、67の母親に「女捨ててるわね」と
言われてしまいました。

化粧しないで女優が続けられるなら楽だわ…
程度の感覚になっていたとしたら
これも究極の人間の本質なのかな?なんて思います。
・・・・・やっぱりコワイですね(^_^;)
by 綺華 (2009-10-24 10:06) 

Peko

※ayakaさん、こんばんは♪

「さまよう刃」は原作を読まれたのですね~
映画では映像や時間で制限されますから耐えられましたが
前半部分はかなりこたえました。
後半は???な設定や展開があったので、それが良かれ悪しかれ
「あ、ドラマなんだ」と現実に引き戻してくれました。
本を読む勇気はないですね~(汗)

南田さんは大林監督の映画に出る前には必ずスッピンで会うんだそうです。
女優の顔はキャンパスと同じ。そこに絵を描くのは監督だからって。
女優さんて、老け役じゃなくきれいどころの女優さんは皆、若く見られたいんじゃないかと思ってた私は、この南田さんの言葉にちょっと感動したんです。
彼女はあるがままをよしとする人なんだな~って。それだけではなくって、
なすがままも受け入れる人だったのかな・・・とも。

ひょっとして、認知症になることで、先に逝ってしまうことで長門さんに復讐したのかも・・・なんてチラッとでも思ってしまった自分が私はコワイです・・・^^;;;

ウチも私より義母の方がよっぽど女を生きてますねぇ~^^
私、完全に負けてます。(^^ゞ
by Peko (2009-10-24 22:54) 

Peko

※yutakamiさん、nice!をありがとうございました♪
by Peko (2009-10-24 23:04) 

hana2009

こんばんは~

私もつい最近、東野圭吾の原作は読んだばかりなのです。
映画の方は全くわからないのですけれど・・・原作の少年達は救いようのない、人間としてはどうしようもないクズとして描かれていました。
あんな連中に、自分の一人娘があんな酷いことをされたらと、誰もがあの父親に同情するのは当然の事です。
あまりに救いようのない内容でしたので、さすがの私もこんな本を読みましたと紹介が出来なかったのです。

pekoさんの書かれた、弱い駄目男の事。加藤和彦さんも、噂では後追い自殺の可能性があるとか・・・・
私も、うん、うん、その通りと同調して読んでしまいました。
ここだけの話、家の父にもそんなところがあったかも。母はその分までしっかりものです!
私は、顔も考え方も父似です!自己中で、自分に甘い性格がそっくりなのだとか・・・・

南田さんは、本当にお気の毒です。良い女優さんでした。好きだったなぁ~

by hana2009 (2009-10-24 23:09) 

タケノコ

フランスの事件はその犯人は心理学者かなにかでドイツに逃げた人でしたっけ?犯人を他国まで捜して、引きずり出してきたその執念には親心を超えたものを感じます。
ヴィヨンの妻は、松たかこさんはいいのですが、どうも広末さんが・・・「おくりびと」のキャストもそうでしたが、なんか違う感じがするのです。。。。

by タケノコ (2009-10-25 18:44) 

Peko

※hanaさん、こんにちは♪

hanaさんは本当にたくさんの本を読んでらっしゃるのですね~
私は読書が苦手なので恥ずかしくなります。^^;
このお話は辛い設定の話ですが、現実にも同じようなことは起こっているので
いたたまれなくなりますね。

浅野さん演じた大谷は限りなく太宰治に似ているように描かれていました。
そういう人に惹かれる気持ち、わからなくもないかな。(^^ゞ

自分に甘いのは私もで~す。自己中かどうかは・・・はて、どうだろ。。。^^;
by Peko (2009-10-27 14:42) 

Peko

※タケノコさん、こんにちは♪

犯人のこと、よく知らないのですが、そうなんですか~
本当に凄まじい執念ですよね・・・
親心だけではない、複雑なものがからんでいたとか?

広末さん、私ももっと違う役の方が・・・って思えました。
でも、じゃあ誰がよかったのかは思い浮かばないんですけどね(^^ゞ

浅野さんは不思議な魅力、醸し出してたと思います。^^
by Peko (2009-10-27 14:52) 

Peko

※ことのかさん、お元気ですか~?
来てくださって、ありがとう♪^^
by Peko (2009-10-27 14:54) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。