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利用者さんからいただいたもの [気ままなヘルパー日誌]


今週サービスに伺った先で、90を超えたおばあちゃまが言いました。

「こうして毎週あなたに来てもらって、私は本当に嬉しい。
 だからあなたにと思って、書いてみたの。
 何ももらっちゃいけないっていうのは聞いて知ってるんだけど
 どうかこの90を過ぎた年寄りの笑い種だと思って、これだけは受け取ってちょうだい。」

そう言って丸い紙のコースターのようなものを渡された私。
一枚ずつめくってみると、なんとも可愛らしい上手な絵が書かれていました。
おばあちゃまがずっと習っておられた水墨画でした。

全部めくって座卓に並べて見せていただきました。
涙がこぼれそうになりました。

  

IMG_2516.jpg

   

6月に胸椎骨折で入院されたおばあちゃま。
それまでは何でも一人でやってこられた方でした。
退院後は少しの不安から、週に一度、介護予防のサービスを受けるようになられました。
一緒にお買い物に行って、帰ってきたら無理のない範囲で一緒にお掃除をします。

7月から始まった週に一度のお付き合い。^^
このおばあちゃま、元々はとっても前向きで自立心旺盛な方。
自分でできることは自分でやりたい・・・との思いも強く、実際よくなさっています。

買い物から帰って一服してほしいところでも、私がお掃除を始めると必ずおばあちゃまも
自分ができることを探して動き始めます。
なので、無理をさせてしまってるんじゃないかと心配になるくらいです。

でも、よく動かれることがいいのか、7月頃は転倒を心配した足取りもどんどん良くなり、
今では買い物同行の際でも杖など時々浮いちゃってるくらいなのです。^^

そんなおばあちゃまでも当初はサービスで伺った直後には必ず出ていた言葉、
遠慮がちに言われてた決まり文句がありました。
「あなた一人でお買い物に行っていただくわけにはいかないの?」っていう言葉。^^;
でも、その言葉もいつの頃からか全くおばあちゃまの口からは出てこなくなり、
今ではお買い物リストも用意してすぐに出られるよう準備万端で私を待っておられるのです。
そういう意欲が回復されたことが何より嬉しい私でした。

戦争でご主人を亡くされ、病気でお子さんを小さい頃に亡くされ
ずっとひとりで頑張ってこられた方です。
70の頃からは趣味の陶芸を楽しまれ、続いて身体に負担の少ない水墨画を習われていました。
週に二日はバスを乗り継いで、病院併設の介護施設へ洗濯物たたみのボランティアにも行かれていました。

退院後、しばらくはなかなか外へも出られなくなっていましたが、回復されるにつれて
少しずつ入院前の生活にもどそうと頑張っておられる利用者さんです。

夕食のみの配食サービスも今月からはやっぱり自分で作って食べたいから・・・とのことで、
一日置きにされました。
水墨画の教室(月に1~2回)にもまた通いたい・・・と話しておられました。

なので、この日このような形でおばあちゃまがまた水墨画を描き始めて作品を作られた・・・
しかも私のことを想って絵筆を取り描いてくださった・・・
そう思いながらこの小さな作品を前にすると、じわ~~っと涙が出そうになりました。

本当は何も頂くことはできないんだけれど、これは「頂けません!」とは言えませんでした。
正直嬉しかったので、有り難く頂いて帰りました。
「ありがとうございます!とっても素敵なので事業所のみんなにも見てもらいますね~」って。

早速、仕事帰りに事業所へ寄って、担当スタッフに話をしました。
「もらっちゃいけないんですけど、これはもらってしまいました。^^;すみません。
 でも正直嬉しくて、涙が出ました。」

するとスタッフからは思いがけない言葉が。
「これは〇〇さんのPekoさんに対する気持ちがこもったものだから、もらってください。
 ここまで体力も気力も回復されてきた証拠ですから。Pekoさんのおかげですよ~。^^v」

うぅ~~リップサービスとは知りつつも、またしても涙が・・・(うるうる)

こうしておばあちゃまからもスタッフからも言葉の花束いただいてしまったPekoでした。

ありがとうございま~す。
これからも細々とやっていきますので、よろしくお願いしま~す。
。。 
   

 


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hime-at

とても素敵ですね!作品も、おばあちゃまの前向きな気持ちも!
Pekoさんがいかに優しく接しておられるかがわかりますね♡
言葉の花束、素敵だなぁ~☆
いつもいつもおつかれさまです!そしてこれからも頑張ってくださいね♪
by hime-at (2009-10-18 12:49) 

hana2009

素敵なお話に、素晴らしい生き方をなさっているおばあちゃまですこと!
事務所での会話だって、決してリップサービスなどではないと思います。

お互いに前向きに、一生懸命に生きていれば、何か良いことに出会えるって事ですよね~☆
私も以前、ヘルパーさんの利用をしていましたから・・・大変なお仕事であるのは解ります。
pekoさんも、出切るだけこれからもずっと続けてくださいませね。

by hana2009 (2009-10-18 17:53) 

しの

やっぱ在宅者は違いますよね。うちのじじばばにもこうあってほしいものですが、リハビリや飲食以外は3時のお茶(と、時々おやつ)の後レクレーションを30分ほどやりますが、自主的に何かをする人が2名ほどいますが、せいぜい廊下を何往復か歩くぐらいです。

3か月の集中リハビリが終わってリハビリ加算が取れなくなった人たちで、ケアプランにリハビリの必要性が上がった方々にはOT・PTに変わり、私たち介護者がちょっとしたリハビリを行いますが、こちらも廊下を歩くぐらいで5~6分で終わる程度。

第二の特養と呼ばれるように老健は3カ月過ぎても居座る方が多くて、リハビリ加算は取れない、どこも受け入れしてくれないような人たちばかり残ってリスクは増えるし、かといって職員は増やしてくれないしで困ったものです。

デイケアも不景気と病院直属のデイケアや老人ホームのデイサービスに人が流れていくせいか私がいたころよりぐっと利用者が減っています。

在宅に向けて希望を持たせるような事を言って励ましながらやってみてるんですけど・・・家族(とくに嫁)に気を使って暮らすぐらいならここのほうがましって思ってる人もいて、家族も受け入れたくないのが顔に出てたりすると困ったものです。
by しの (2009-10-20 17:11) 

Peko

※hime-atさん、ありがとうございます。

素敵なおばあちゃまでしょう~^^
「こんにちは~Pekoで~す!」と言ってお宅に伺うと、にこにことされて
出てきてくださるその笑顔だけで私は癒されております。
細々とでも、私にできる範囲でやっていこうと思っています!^^
by Peko (2009-10-20 19:23) 

Peko

※hanaさん、こんばんは♪
おばあちゃまの生き方、暮らしぶりには本当に頭が下がる思いです。
毎回帰り際には「あなたも無理しないでね♪」って私を気遣ってくださり、
私の方が元気をいただいてるくらいです。(^^ゞ

このおばあちゃまなら私でなくても誰がサービスに入っても同じように前向きに
回復されるでしょうけれど、やっぱりスタッフからそういう言葉をかけてもらうと
素直に嬉しかったです。^^
そして読んでくださった方がこうしてコメントくださることも、とっても嬉しいです。^^
ありがとうございました。

おばあちゃま、ご近所にも助けて下さる方がいらっしゃるようなので、その助けを借りながら現状維持を続けて、ご主人やお子さんの分まで元気で長生きしてほしいです。
by Peko (2009-10-20 19:42) 

Peko

※しのさん、毎日お仕事お疲れさまです。

こういう高齢者ばかりならどんなにいいだろう・・・って私も思います。
でも、このおばあちゃまだって、これから先はどうなるのかわかりません。
後見人を決めてたらというような話も出ているようです。
できるだけ現状維持を続けられるよう、お手伝いするのみですよね。

このおばあちゃまの所に、時々遊びに来るお友達がいらっしゃるとのこと。
その方は3世代同居の方で、「家族がいたらいたで、いろいろあるのよ~」と
時々避難しにくるのだそうです。^^;
「いたらいたでいろいろあるし、いなけりゃいないでいろいろあるしね~^^」と
おっしゃるおばあちゃま。
それぞれの置かれた立場がどういうものかは、その人その人の考え方次第なのかもしれませんね。
とは言っても、身体的・精神的にまだまだ自立なさっているこのおばあちゃまはラッキーな方ですよね。
自分の意志ではどうにもならないこともありますからね・・・
そこのところは切ないです。
by Peko (2009-10-20 20:12) 

Peko

※yutakamiさん、綺華さん、nice!をありがとうございました!m(_*)m
by Peko (2009-10-20 20:21) 

タケノコ

高価なもらい物はお互いに御法度でしょうが、これくらいならというか、もらってあげるべきかなと思いました。
自分に出来ることをやっていく、出来る範囲でのお礼、感謝の意。お互いの関係がより豊かになることでしょう。
妻もここまで出来るようになるといいのですが。
by タケノコ (2009-10-20 21:12) 

Peko

※タケノコさん、ありがとうございます。

>もらってあげるべきかなと思いました。
ヘルパーを利用されてるタケノコさんからのこのお言葉はとっても嬉しい♪
あの場で強くお断りして返すことができなかった私を許してもらえたようで。
でも私もあの場で受け取らないのは、せっかくまた描こうという気持ちになった
おばあちゃまの前向きな意欲をもいでしまうような気がして断れませんでした。
スタッフも同じ気持ちになってくれてよかったです。^^v

中には不用品処分係と思ってらっしゃる利用者さんもおられて、いつもお断りする私に、「ほんとに頑固ね!」と文句を言われることも。^^;
受け取らないということをわかってもらえた後は、やりやすくなるのですけどね。

奥さま、少しでも回復なさるといいですね。お祈りしています。
by Peko (2009-10-20 23:04) 

Peko

※yuki999さん、nice!をありがとうございました。
by Peko (2009-10-23 18:14) 

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