白杖を持った女性 [気ままなヘルパー日誌]
仕事からの帰り道、私の前方10mくらいの所を白杖を持った女性が歩いていた。
私と同年代か?
その足取りが何ともおぼつかないというのか、慣れてないというのか危なっかしくて
ゆっくりと近付きながら様子を見ていた。
するとその女性、白杖で自分の周りを確かめつつ、誰かを探しているように
ゆっくりと一回りするような格好でこう言った。
「道をお尋ねしたいのですが、どなたかいらっしゃいませんか?」
私と女性との間には3人ほどいたが、皆急いでいたのか、ササッと通り過ぎて行ったので
私が声をかけてみた。
「どうなさいましたか?」
「この通りに越後屋さんていうお店があると思うのですが、もう過ぎましたか?」
「越後屋さんなら、もう少し先だと思いますよ。あと50mくらいでしょうか・・・
そこまで行かれるのでしたら、一緒に参りましょうか?」
「あなたの進行方向と同じですか?」
「はい。私もこの道をまっすぐ行きますから。」
「ありがとうございます。助かります。ではお願いします。」
と言ってはみたものの、目の不自由な方の歩行介助はやったことのない私。
片手で私の腕を掴んで歩いてもらうのがいいのかな?と思ったが
ここは聞いてみることにした。
「どういう歩き方をすればいいですか?私が前になりますか?」
「いえ、私が前を歩くので、すみませんが私の後ろをついてきてもらえますか?」
「はい、わかりました。」
そう言うと、女性はゆっくりと白杖で足元を確かめながら歩き始めた。
が、車道に向かって直進しそうになったり、歩道にある障害物にぶつかりそうになったり・・・
それを後ろから言葉で伝えてはみたけれど、結構難しかったなぁ。
1m先左手に障害物です。一歩右へ・・・てなことでわかっただろうか。
mで距離感のわかる方だといいんだけれど、それも定かではないし・・・。
自転車やバギーと擦れ違う時にも神経を使った。
越後屋さんの前では年配の女性が立っていて、微笑みながら彼女の到着を待っていた。
二人は手を取り合って喜んだ。
母娘か?親戚か?
「この方が連れてきてくださったの。どうもありがとうございました。^^」
女性の弾んだ声を背中で聞きながら、私は家へと向かった。
短い距離ではあったけれど、無事に着けて私もホッとした。
果たしてあんな言い方でよかったのかどうか・・・ちょっと心配ではあったが
貴重な体験であった。。。
*****
先ほど、鎌倉の叔父が亡くなったと連絡が入った。
パーキンソン病などを患い、ここ数年は介護施設と病院とを行ったり来たりの状態だった。
叔父さん、ゆっくりと休んでくださいね。。。
盲目の方のヘルパーさんをガイドヘルパーというのでしょうか、慣れないと誘導はなかなか難しいそうですね。
私も素人ですが、手を組んでがいいようにも思うのですが、相手の方の意思と異なっていればそうでもないようですね。
叔父様のご冥福もお祈り申し上げます。
by タケノコ (2010-04-11 17:49)
※タケノコさんへ
ガイヘルの資格を持った事業所スタッフに聞いたところ、〇mや〇歩というのも
人によっては適切ではないとのことで、なかなか難しいものですね。
でも、完璧ではなくとも、困ってる人にほんの少しでも手助けができたとしたら
それで良しとしましょう。だめ?^^;
一般的にはやはり杖を持たない方の手で介助者の腕の肘の裏あたりを
持ってもらうのがいいそうです。
この方、自分の感覚で歩く練習をされてたのかもしれませんね。
叔父のこと、ありがとうございます。
しっかりとお礼を言ってお別れをしてきました。
by Peko (2010-04-16 17:51)
※りぼんさん、来てくださってnice!をありがとうございました。
by Peko (2010-04-17 16:45)
※yutakamiさん、たくさん読んでくださって、nice!をありがとうございました♪
by Peko (2010-04-23 21:05)